2004/6/25記す
2004/7/28修正
飛行機は成田10:25発のKLMオランダ航空、KL862便。成田空港に7:55までに行かないと行けないらしい。そのため朝4時半頃家を出る。そしてバイト先のコンビニへ。この日は古賀君とも親しい友人が夜勤に入っていたので挨拶しに行ったのだ。
僕が「これから古賀君のうちに行ってくる」というと「アイスランドでしたっけ? あっアイルランドか。いいないいな」と言っていた。
確かにこの極東の地からすれば、アイスランドもアイルランドも大差ない。ヨーロッパ人から見れば中国も日本も大差ないのと同じだ。
僕の乗った飛行機がこっそりアイスランドに着陸して、何も言わずにそこで降ろされたら、きっと僕はそこをアイルランドだと思ってしまうだろう。なぜ古賀君は迎えに来てくれないのかと不思議がりながら。

それから電車で成田空港へ。
チケットをもらって飛行機に乗る。しかし飛行機の離陸が遅れる。機内アナウンスによると「書類作成のため離陸許可が出るまでにあと15分ほどかかる予定です」とのこと。どんな書類か知らないけど、普通あらかじめ作ってあるものなのではないのかな。離陸時間になって、機長が「しまった! 書類作るの忘れてた! Oh my God!!」とか言っていたのだろうか。

KLMは世界初の民間航空会社なので、空色をコーポレートカラーにしているんだそうな。
僕が乗った飛行機は新しい機種らしく、設備が充実していて、エコノミークラスでも各シートごとに液晶モニタが付いていて、自分で好きな番組を選んでみることができる。しかも一時停止したり、早送りや巻き戻しもできる。さらに現在の飛行データを見ることもできるので「おっ、今時速1,000kmで高度10,000mか。外は-60℃か。寒いなぁ」などとつぶやいてみる。

映画を3本見た。最初に「ラストサムライ」。次に「ハリーポッター」を見たが面白くなかったので「ハリーポッタ−2」は見ないで「マスター・アンド・コマンダー」を見た。感想は省略。
飛行時間12時間くらいかけてようやくオランダ、アムステルダムに到着。そこでダブリン行きに乗り換える。元々乗り換え時間が短めだった上に、「書類作成」のために少し遅れて到着したので、ちょっとあわてて乗り換えゲートに行く。
成田はターミナルビルが2つあるので、乗り継ぎが別のターミナルだと一度入国審査をしてバスで移動しなければならない。しかしアムステルダムはターミナルが一つだけなので乗り継ぎが便利なのが特徴の一つらしい。だがそのためその一つのターミナルがとても広い。到着したゲートから次に乗るゲートが端と端みたいな場所で、移動だけで20分くらいかかった。
でも乗り換えの時間は余裕で間に合った。しかも東京発の便が遅れたからなのか、ダブリン行きも予定よりちょっと遅れての離陸に変更されていたようだ。
この飛行機(KL3157)に乗ると僕の隣の席が、白人の女の子だった。そしてその真後ろの席に彼氏らしき人が座っていて、話をする度にいちいち後ろを振り返っていた。それが面倒だったのだろう、彼女が僕に席を替わってくれないかと言って来た。突然の提言に僕も驚いたけど、彼氏も驚いていたみたいだった。僕の方は何の問題も無かったので替わってあげた。彼氏にも礼を言われた。いいことをした気分になったが、考えてみたらそれで飛行機事故にでもあっていたら、僕がその彼氏ってことになっちゃったりしてたのかなぁ?
そして離陸すると、あっという間にダブリンに到着。1時間半ほどなのだがそれまでに12時間乗っていたのに比べれば、本当にすぐ着いちゃった感じがした。機内食はおろか、飲み物さえも出ないうちに到着。いや飲み物はあったんだけど有料だったから飲まなかった。
到着時刻は現地時間で夕方5時頃だった。
空港に降り立つと入国審査だ。アイルランド人やEU圏の人たちはパスポートをちょこっと見るだけでほとんど素通りみたいな感じだった。
しかし僕はいろいろ聞かれた。観光か? 一人か? 滞在期間はどのくらいか? 金はいくら持っているか? 現金は無いと言うと、じゃあカードを持っているのか? このカードはいくら使えるのか? どこのホテルに泊まるのか? 友達のところだと言うと、じゃあ友達の名前を書けと言われて紙を渡される。それからカウンターにあるレンズを見ろと言われ、顔写真を撮られる。帰りの飛行機のチケットを見せろと言われ、帰りが14日なのでビザは14日までだと言われ、ようやく審査終了。
あらかじめ見ていたガイドブックには普通3ヶ月のビザが出ると書いてあったが、なぜか僕はぎりぎりの分しかもらえなかった。あとガイドブックでは入国カードを書くとあったが僕は書かずにすんでしまった。なんかよく分からないけどとにかくアイルランドに入国したのだ。
荷物を受け取って、到着ロビーに出ると、約束通りそこには古賀君が待っていた。約7ヶ月ぶりに会う古賀君は丸坊主になっていた。本人はやせたと言うが見た感じはあまり変わった印象は無かった。とにかく元気そうでよかった。
とりあえず両替した。アイルランドの通貨はユーロである。この日1ユーロは140円くらいだった。昔作って残っていたトラベラーズチェックを¥20,000分両替すると140ユーロくらいになった。
空港から市内まではバスで1時間くらい。ここからは古賀君がガイドしてくれるからもう楽なもんだ。

バスの中の古賀君。背景は空港


ダブリン郊外の街並。下はパブ。バスから写す。ちょうど選挙中で電柱に選挙ポスターが貼られている。
ちなみにアイルランドはイギリスと同じで車は右ハンドル、左側通行。つまり日本とも同じだ。
バスの中ではいろんな話をした。入国審査が厳しかったと言うとこういう答えが返って来た。
このところアイルランドはIT産業を中心に非常に好景気で、出稼ぎに来る人が多い。さらに最近、東ヨーロッパのいくつかの国がEUに加盟したため、その国からの出稼ぎも増えていると言う。EU内での移動は比較的自由だからだ。そしてEUとは関係ないが中国人までもが出稼ぎにきて不法滞在するケースが増えているのだと言う。西洋人から見たら中国人と日本人は大差ない。それで一人でアイルランドくんだりまでのこのこやって来た僕は、不法就労する中国人と同様に見られて、審査が厳しかったのではないかというのだ。
この国に限らず中国人は世界中どこに行ってもいるし、その上評判が悪い。
古賀君自身も町を歩いていると中国人だと思われて、白い目で見られることもあると言う。最近では日本人の友達うちで、何かあると「俺は中国人だから…」という自虐的なギャグをよく使うとか。
アジア系以外にも黒人もしばしば見かける。黒人も出稼ぎで来ている人が多いようだ。もともとはフランスが好景気だったときに、アフリカからフランスに渡って、いわゆる3K労働などをしていた人たちが、フランスが不景気になったので、アイルランドに流れて来たのだろうと言う。
こういった出稼ぎの貧しい人たちは、ダブリンの中心からちょっと離れた、下町のような地区に固まって住んでいる。
こう書くと差別がひどそうに思うかもしれないが、別にそういう訳ではない。
それから地元アイルランド人はと言えば、古賀君曰く「おっぱいがでかい」んだ そうだ。確かにでかい人が多い。まあぽっちゃり系が多いとも言えるんだけど、細くてもでかい人が多い。それとノーブラの人が結構いる。そういう人とすれ違うたびに古賀君がうれしそうに「ほら、ちくびちくび」と教えてくれる。
服装は地味めの人が多い。でもへそ出したり、露出の多い人もいる。ちょっとくらい太めでも平気でへそ出している。日本だとスタイルに自信のある人がそういう格好をするのになと、そのときは思っていたんだけど、もしかしたらアイルランドでは太っていることはマイナスではないのかもしれない。
古賀君によるとアイルランドの女性はがさつな人が多いらしい。だからアイルランドの男性は外国人の彼女を作りたがるのだと言う。女性もまた外国人の彼氏を作りたがるらしい。
それからよく見かけるのが、古賀君が「チンピラ君」と呼んでいる、不良少年少女たちである。彼らは特徴があって、必ずジャージを着ていて、男は短めでつんつん立てたような髪型にしている。学校にも行かず、働きもせず平日の昼間っからぷらぷらしている。
ちなみにアイルランドでは不良のことをヤンキーとは言わない。ヤンキーはアメリカ人のことである。というか、なんで日本では不良の意味になってしまったのだろう。
町の中心部までやって来て、一度バスを降りて少し歩いてから別のバスに乗り継ぐ。

ダブリンの町中。トリニティーカレッジを背にCollege Green とかいう方向。アイルランドは涼しい。けど日本もちょうど出てくるときは梅雨寒だったので、気温は同じくらいかな。

市内のバスはこのような2階建てがほとんど。乗るときに自己申告で料金を言ってキャッシュボックスにお金を入れる。するとレシートみたいなチケットがもらえる。おつりは出ないが、そのチケットを後でバスのオフィスに持って行くと払い戻してもらえるらしい。でも面倒だからなるべく小銭を作っておいた方がいい。それかプリペイドのバスカードもある。

85セントのバスのチケット

アイルランド銀行。このように歴史のある古い建物が今でも銀行や役所などとして使われている。地震があまり無い国なので、古いものが壊れること無く残っているのだろう。でも古賀君によるとついこの間、震度3くらいの地震があったそうだ。

清掃員。このような機械で掃除をしていた。アイルランドは行政レベルでは福祉も充実しているし、環境問題にも積極的に取り組んでいるらしい。公共の場だけでなく、パブなどのお店でさえも全面禁煙である。パブで飲んでいてタバコを吸いたくなると、みんなちゃんと外へ吸いに行く。しかし、外で吸ったタバコはそのまま道ばたにポイ捨てしてしまう人が多く、道にはゴミがたくさん落ちている。一般人の意識はあまり高くないらしい。
追記(2004/7/28):先日、アイルランドのパブの店内で客にタバコを吸わせたとして、経営者が罰金刑を受けたと言う新聞記事が出ていた。それを見て初めて知ったのだが、アイルランドの禁煙法が施行されたのは2004年3月で、僕が旅行に行ったときは施行されてから、まだ三ヶ月しか経っていない時期だったという訳だ。

バスに乗って10分くらいかな。ダブリンの町外れの住宅街にある古賀君の家に到着。この辺りには古賀君のような外国人留学生も住んでいるが、別にそれ向けと言う訳ではなく、地元のアイリッシュの住民もいる。
アイルランドは比較的治安はいい国だが、古賀君の家のあたりでは物取りなどは起こりうるので、一応気をつけるように言われる。
アイルランドではほとんどの家に防犯ベルが付いている。しかしちょっとした振動やドアを強く閉めたくらいでも誤動作してしまうことが多い。そのため年中そこいら中で防犯ベルが鳴っているので、防犯ベルが鳴ったくらいでは警察も来ないし、近所の人も無反応だ。従ってほとんど防犯ベルの意味は無いと言う。実際僕もこの旅行中に防犯ベルが鳴っているところに3回くらい出くわしたが、みんな何事も無かったように素通りしていた。

古賀君はハウスシェアをしている。ハウスメイトのRomain。フランス人。名前はフランス語読みなので「Romain」と書いて「ホーマン」の様に発音する。見た目兄弟のような二人だ。実際二人は話も合うし仲がいい。
この家は本当は3人用なのだが、今はたまたま2人しかいなくて、一部屋空いていたので、そこを僕に貸してくれることになった。
僕が部屋に行って荷解きをしているとRomainがオレンジジュースを持って来てくれた。気の利くいいやつだ。
それから古賀君へ日本からの土産を渡す。古賀家から預かった荷物一式。その中には衣類やCDなどのほかに水虫薬が入っていた。こっちに来てからずっと靴を履いている生活なので水虫になってしまったと言う。最近はだいぶよくなったそうだ。あと折り紙が入っていた。アイルランドではおもしろがられるらしい。
それから僕からのお土産として古賀君に頼まれていた日本のタバコとレトルトの牛丼、それと古賀君の好物のどん兵衛を買ってきた。

「7ヶ月ぶりだ」と言って早速うれしそうにどん兵衛を食う古賀君。
では古賀君の家の中を紹介しよう。
間取りは3LDKということになる。3部屋はそれぞれ一人一部屋の割当で、リビング、ダイニング、キッチンは共同だ。シェアをするとき、人によっては食事や掃除などを当番制にするなどのルールを決めることもあるようだが、古賀君たちは、自分で食べるものは自分で作ると言うように、全く自由にやっているという。

部屋の広さは正確ではないが、だいたいこんな間取り。

リビングにある暖炉。タバコの吸い殻を燃やすときくらいしか使ってないそうだ。

写真がぶれちゃったけどダイニング。だいたいリビングで済んでしまうのであまり使ってないようだ。右にあるのは古賀君の自転車。学校に行くのに使っている。学校まで20分くらい。中国人グループが盗難車を違法に販売しているのを買ったそうだ。

キッチン。中央下にあるのは洗濯機。

庭。全く手入れしていないそうだが、ちゃんとしたら使えそうな感じ。奥にある物置は虫が出るから開けてはならないとのこと。右側の巨大なアンテナみたいなのは物干。

庭の壁。前の住人がペイントしたらしい。

バスルーム。右奥がシャワー、左側に洗面台、左手前にトイレがある。

シャワー室。シャワーのみで、浴槽はない。畳半分くらいの広さ。後に旅行に行って泊まったホステルのシャワーもこのようなものだったので、アイルランドでは一般的なタイプのものと思われる。

リビングの電気のかさ。なぜかちょっと和風。
既にこのとき夜の八時半くらいになっていたのだが、こちらは日が長く、まだまだ明るい。だいたい十時くらいまでは普通に明るい。
アイルランドではだいたい6時くらいには普通のお店は閉まってしまう。その後はレストランやパブで食事をすることになる。しかし夜九時頃までには食事の販売も終了し、その後はパブで飲むとことになる。だがパブもだいたい0時頃には閉まってしまうので、みんな家に帰る。でも週末は一晩中外で騒いでいる奴らが増えるらしい。
ちなみにパブでは何も食べずに、ひたすら飲み続けるのが普通みたいだ。飯を食ってから来るからだろうか。何かをつまみながら飲んでいる人なんて、一度も見かけなかった気がする。おしゃべりしながらちびちびやるのがアイルランド流のようだ。
それでこの日もこれから飲みに行こうということになった。古賀君があらかじめ友達に連絡を付けておいたところ、結構集まりそうだと言う。
バスに乗って町の中心まで行く。友達の韓国人の女の子がその近くで飲んでいるというので、連絡をつけると外に迎えに来てくれた。その人が後に一緒に旅行に行くことになるナヨンだった。
店は一応パブなんだけど、内装が中国風と言うか勘違いした東洋のイメージみたいな雰囲気のところだった。普通ビールなどは€4(約¥560)くらいするのだが、この店は何でも€3(約¥420)で、安いらしい。
そこにナヨンとその友達の韓国人の女の子がいた。その後、日本人が3人とフランスとアイリッシュのハーフだったかな?が一人、それと地元のアイリッシュ二人と結構な人数になった。
僕は英語はそんなにできないので、みんなが話していることを必死に聞いている状態だったが、古賀君はすっかり普通にぺらぺらしゃべっていた。
ここで僕はついに初ギネスに挑戦した。ギネスとはスタウトという種類の黒ビールで、アイルランドで最も飲まれているビールだ。その他にバルマーズ?とか言うアップルサイダー(これもお酒)も飲んだ。
0時頃になって閉店の時間になったので、解散した。そして小腹がすいたので古賀君とナヨンと三人でケバブ屋に行くことにした。ケバブは元々ペルシャ料理だがアイルランドでもポピュラーらしい。

パン(ピタ?)の上にケバブと野菜などが乗せられている。それをこのようにものすごい形相で食べる。この店はファーストフード風なところなので、遅い時間まで営業している。
食べ終わると既にバスは終了している時間だったので歩いて帰った。

帰りがけに通りかかったクライスト・チャーチ大聖堂。ダブリン最古の教会で、1172年に建てられたとか。